このブログの独自コーナーで恒例の「古い作品解説」第4弾。
今回はブラックジャック
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パズドラのコラボ作品の中で、漫画の中ではおそらく一番古いと思われる。
(コラボ全体の作品の中ではミッキーマウスが最も古く、次が仮面ライダー1号
パズドラプレイヤーの年齢層では知らない人が大半だと思うので、
数ある漫画作品の中でブラックジャックが最も好きな自分が詳しく解説してみたい。

漫画としては、ブラックジャック「こち亀」等と同じく、
1話完結の漫画で長期に続くストーリーは存在しない。
手塚治虫先生の集大成的な漫画「鉄腕アトム」っぽいキャラや
「火の鳥」っぽいキャラも登場する。

まずブラックジャックとはスキル名等にもある通り「医者」
しかも闇医者で医師免許を持っていないが、天才的な手術の腕は
世界レベルで認められている。何度も逮捕されるが医療の腕で様々な手を使い、
毎回無罪放免扱いとなっている超法規的存在。
本名は「間 黒男(はざまくろお)」といい、れっきとした日本人。

手術料の請求も毎回むちゃくちゃで何百億$のときもあれば、
ラーメン1杯、おもちゃの風車1個、10円などいろいろある。

↑のキャラ画像にもあるように、顔が半分青色なのは移植した皮膚だからで、
幼い頃母親もろとも不発弾の爆発事故に巻き込まれ、体がバラバラになってしまうが
(この時のショックで髪も半分白髪になっている)
恩師・本間丈太郎医師によって一命をとりとめた。

本間丈太郎とは
「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、
 おこがましいとは思わんかね…」

の名言を残して亡くなったブラックジャックの師匠であり、命の恩人でもある。

その時に顔に皮膚移植が必要だったが、皮膚の提供をしてくれたのが
黒人のハーフだった親友の「タカシ」という少年だけだった。
ブラックジャックはすごく義理堅いので、整形せずにずっとそのままにしていた。

ある日タカシと連絡を取ることに成功し、手紙をもらったがそこには
「地球を治す医者が必要なんだ」と書かれていて、環境保護活動をしていることを知る。
しばらくして、環境保護団体が原子力基地建設に反対したため、
銃殺されたニュースが流れ、その中にタカシがいたことを知ったブラックジャックが
「この皮膚は形見になってしまったなあ…大事にとっとくぜ」とつぶやく話がある。

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ブラックジャックは1話完結漫画のため、ストーリーはないが
スキル名、リーダースキル名は漫画に出てきたセリフから取られている。


 それでも私は 人をなおすんだっ
ある日若い兄妹から「事故で全身不随となってしまった母を治して欲しい」
との依頼があり、引き受けて手術をすることになった。

その母は同時に、手の施しようのない患者を安楽死させる医者
ドクター・キリコ」に自身の安楽死を依頼していた。
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これがドクター・キリコ
ブラックジャックのライバル的キャラで元軍医。
その時死にたくても死ねない重傷の兵士をたくさん見た経験から、
手の施しようがなく苦しんでいる患者を安楽死させるようになるが、
本人は信念を持ってやっていて、自身の仕事を「神聖な仕事」としている。

ちなみにブラックジャックと直接関係はないが、
20年程前インターネットが普及しだした頃、
ネットで自殺志願者を募り、青酸カリを飲ませて殺した実際の事件があって、
犯人が「ドクター・キリコ」と名乗っていたが、それはここから来ている。

病室で母に安楽死を施そうとするキリコと、鉢合わせになったブラックジャックは
「手術が失敗したら報酬の100万円はおまえが取れ。成功したら私のものだ」
と勝負を吹っかけ、手術は成功して母は助かった

ブラックジャックとの別れ際、
「生き物は死ぬ時は自然に死ぬもんだ。
 それを人間だけが無理に生きさせようとする。
 どっちが正しいかね。ブラックジャック。また会おう」

と言い残し、去ろうとするキリコ。

しかしその時、母と兄妹もろとも交通事故に遭い、全員死んだと知らされる。
高笑いしながら去るキリコに向かって
「それでも私は 人をなおすんだっ!自分が生きるために!」
と叫ぶのだった。


 医者は患者を治すだけが商売だ
末期がんで余命幾ばくもない女性・ミチルは、死ぬ前の最後のお願いとして
「今から病室に最初に入ってきた男性と結婚する」と言い出した。
そこで両親は幼馴染の男性を呼ぶのだが、入ってきたのは
手術を担当することになったブラックジャック

「医者は例外」とはならず、両親も手術代込みの料金
1000万の支払いを承諾したため、ブラックジャックとミチルの結婚式が行われた。

ブラックジャックの天才的手術でミチルのガンは全て取り除かれ、
生きられるようになったのだが、ブラックジャックのことを愛してしまっていた。
「死んでもいいから一緒にいたい。結婚したんだから愛し合っていい」
というミチルの言葉に激怒したブラックジャックにそんな気はさらさらなく、

「医者は患者を治すだけが商売だ。さようなら」と言い残しその場を去った。
ミチルはその後、幼馴染の男性と結婚するのだが、
その結婚式から新婚旅行へ発つのを、ブラックジャックは遠くから見送っていた。

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 医者はなんのためにあるんだ
恩師・戸隠先生に呼び出され、飢饉が続くアフリカまで出向いたブラックジャック。
そこで体がどんどん縮んでしまい、死に至る新種の奇病が蔓延しているのを知らされ、
この縮む病の治療の手伝いを頼まれる。

しかも戸隠先生もこの奇病に侵され、伝染るのを恐れて拒否しようとした
ブラックジャックに「さっき触った動物の死体から感染した」と脅しをかけ、
ムリヤリ治療法を解明しなければならないハメに陥ってしまう。

原因究明している間にも、どんどん縮んでしまう戸隠先生。
仲間の死骸を食べて、病気にかからないようにしている動物たちを見て、
「免疫血清」を作るの思いついた時には戸隠先生は身長30cmくらいまで縮んでいた。

そこまで縮んで死が目前に迫ってしまった戸隠先生は死に際、
「自分の死体から血清を作れば君は助かる」とブラックジャックに告げたあと、

「この飢饉の地に体が縮む病気が蔓延したのは、爆発的に人口が増えた地球で
 限られた食料を分かち合うためには、体を縮小しろという神の思し召しだ」


と言い残し、死んでしまうのを看取ったブラックジャックは

「医者が人間の命を助け、その結果人間が爆発的に増え、
 食糧危機が起きてまた何億人も死んでいくのが神の思し召しなら…
 医者はなんのためにあるんだ!」


と、戸隠先生の小さな遺体を抱きかかえながら、神に向かって叫ぶのだった。

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 古今随一の刀鍛冶が打ったメス
ブラックジャックは山奥に住む「古今随一の刀鍛冶」
メスを打ってもらっていて、その価格はなんと1000万円。しかしその刀鍛冶は、
現金で受け取った1000万円をすぐ薪代わりに窯の中へ入れてしまう。
金が燃えるのを見るのが唯一の楽しみだという、危ない偏屈じいさんだww
しかしその切れ味は、真っ二つに切った瓢箪をくっつけるとまたついてしまうという
「1000万円も惜しくはない」とブラックジャックがうなる程のもの。

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 ピノコ
ある日、高貴な家柄の女性が「畸形嚢腫」という病気で手術を受けに訪れた。
「畸形嚢腫」とは双子として産まれるはずだった胎児の1人がうまく育たず、
もう1人の体にコブのような形でくっついて産まれてしまう病気で、
切り離してみると、そのコブの中には人間の臓器などが一通り全部入っていた。
それをブラックジャックが人間の形に組み立てて作ったのがピノコ。
体の内側は人間のものだが、外側の皮膚や筋肉等は人工なので成長しない。

性格はとても健気にブラックジャックに尽くし、時には助手も務める。
ブラックジャックには幼児扱いされるが、本人は大人の女性と思っている。


とある公害病の治療に訪れた街で、ピノコそっくりの女の子を発見するBJ
それはピノコの顔を作る時、参考にした雑誌の写真の女の子だった。
その子も公害病に侵されていて、名を「ロミ」といった。

公害病の原因となっている工場の依頼で、調査と患者の治療に来ていた
保健所の嘱託医に「ロミに工場が原因の公害病の治療をしろ」と迫るBJ
しかし嘱託医は工場の依頼で来ているため「工場は公害とは無関係」としてしまう。
適切な治療が受けられなかったロミは、駆けつけたBJの処置も虚しく死亡する。

公害の元になった「ベリリウム」を垂れ流し続ける工場、
我が身かわいさに、適切な治療をせずロミを死に追いやった嘱託医に対し
怒りをあらわにするブラックジャックは工場を脅し、大金をせしめる。

その嘱託医もロミの死を前に考えを改め、工場を告発しようとするが、
表に出るのを恐れた工場側に殺されかけてしまい、重傷を負う。
それを治療したのがBJ。治療代はさらに工場からぶん取るつもりらしい。
ロミの墓の前で、ある晴れた日にピノコを連れてくることを約束するのだった。


 アッチョンブリケ
ピノコが作った造語で特に意味はない。
外国人の「Oh My God!」と似たような感じで、驚いた時などに言うことが多い。


他にもブラックジャックは、馬の脳を人間に移植する、
人間に鳥の翼をつけて飛べるようにする、宇宙人の手術をするなど
ぶっ飛んだいかにも漫画的な話から、感動して泣ける話、
考えさせられる話等、名作中の名作漫画なのでぜひ一度読んでみてほしい。